2012年9月22日土曜日

バンブーフレーム製造工場(ザンビア訪問記その2)

今回のザンビア訪問の主たる目的、それはもちろん、ZAMBIKESのバンブーバイクフレーム製造工場に赴くことです。細かい製造プロセスを一つ一つ現場で確認し、さらなる改善の可能性について製造チームとディスカッションすることに、多くの時間を費やしました。


ZAMBIKESのバンブーバイクフレーム製造工場は、ルサカ市内から車で30分程離れた郊外の、失業率の高い地域に建てられています

工場の建物は、レンガ造りのなかなか立派なモノ。自転車をかたどった格子の柄がかわいいですね。




まずは、バンブーバイクフレームの素材となる竹。工場裏手にも成育しているこの黄色い竹の3年ほど育ったものが、日本向けフレームの素材となります。



このイエローバンブーの大きな特徴は、その肉厚さ!


竹筒内側のこの厚みこそ、ZAMBIKESが、比較的細身のチューブによるスマートな外観ながら、極めて頑強な作りの竹製自転車フレームを実現している大きな秘密です!

伐採された竹は、まず防虫剤と安定剤(乾燥を速め切口の割れを防止)の2種類の薬液に浸けられ、その後、温度を一定に保つ専用の乾燥ボックス内で数か月間乾燥されます。


この乾燥工程が、最も時間のかかる工程の一つです。十分に乾燥された竹は、水分が抜けて内側の繊維もぐっと引き締まり、重量も乾燥前より20%以上も軽くなります。

オーダーが入ると、乾燥を終えた竹がサイズに合わせて選び出され、「ジグ」と呼ばれる専用器具にセットされて、あらかじめ決められたジオメトリ通りに、竹パイプと接続部のアルミパーツが精度高く組み上げられます。
ZAMBIKESでは、当初から「ジグ」を用いていましたが、最近「デジタル式のジグ」を導入し、さらなる精度の向上に努めています。
なお、この「ジグ」は企業秘密で撮影禁止となっていますので、写真はないのですがご容赦ください!

「ジグ」で組上げられ、ボンドで接着された竹パイプとアルミパーツ類は、サイザル麻の繊維をエポキシ樹脂に浸けたもので何重にも巻かれて強力に固形化されます。
これが、エポキシ樹脂に浸ける前のサイザル麻の繊維。なんだか馬の尻尾のようにも見えますが、このままでもとても強い繊維です。


サイザル麻を巻きつける前のヘッドチューブ接続部。巻きつける際にサイザル麻が引っかかってきつく巻き付けやすいよう、竹に刻みを入れているのも、巻きつける範囲をわかりやすく統一させるためにタイラップを取り付けているのも、現場の細かい工夫です。


今回の工場訪問では、ZAMBIKESメンバーのこういった工夫や工程・品質改善への強い意欲と向上心を感じました。頼もしい限りです!

巻きつけたサイザル麻&エポキシ樹脂が乾燥して十分固形化したら、その部分をグラインダーでおおまかに削った後、数人がかりの手仕事で丁寧にヤスリをかけていきます。


このサンディングプロセスのチームリーダーは、上の写真の真ん中の女性。粗さの違う6種類の紙ヤスリを使い分けて、ZAMBIKES独特の美しい光沢のある仕上がりを生み出します。

この後、専用の個室で、フレーム全体に耐水性・耐候性の高いポリウレタン系のクリアコートを三層にわたって塗布します。その際に、全体をチェックした後、チェーンステーに仕上げのサインをするのが、このフィニッシングプロセスのリーダー「Chafwa」さん。もう日本でもちょっとした有名人かも?


そして、クリアコーティングされたフレームを十分に自然乾燥させて、ようやくバンブーフレームの完成となります。

今回、私たちは、あらためてバンブーフレームの製造工程をひとつひとつ現場で検証し、さらなる品質の向上と製造プロセスの改善のために提案を行いました。ザンビアでは誰もが知っている日本企業、トヨタ自動車の「カイゼン」手法を取り入れた、各々のプロセスと現場の創意工夫を重視した提案です。

私たちは、ZAMBIKESのバンブーフレーム製造現場の各メンバーと直接、膝を交えて意見を交し合い、アイデアを出し合い、最終的に、全員が納得して品質向上への新たな試みが始まりました。

ミーティングを終え、工場内で記念撮影。ZAMBIKESメンバーが手にしているのは、日本からのお土産の竹製浮世絵うちわと竹トンボです!




ザンビア訪問記はまだまだ続きます!

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